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北朝鮮労働者の帰国とともに寂れゆく中国の工業都市 (1/2ページ)

 国連安全保障理事会が採択した制裁決議と、それに従う中国政府の指示により、今年9月ごろから中国で働いていた北朝鮮労働者の帰国が続いている。

 デイリーNKの現地の情報筋によると、吉林省延辺朝鮮族自治州の龍井市開山屯鎮にある医薬品工場では、約70人の北朝鮮労働者が働いていたが、10月中旬に全員が帰国させられた。働き始めて1年も経っていなかったが、雇用契約を破棄されたという。

 この工場はどのような理由で雇用契約を破棄したのか明らかになっていないが、地方当局からの圧力があったものと思われる。工場は、彼らの抜けた穴を埋めるために、中国人労働者を急遽雇い入れたが、人件費が高く経営難に陥っているという。

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 開山屯は、東邦パルプ工業(現東邦特殊パルプ、旧東満州人絹パルプ)が1938年に開設したパルプ工場とともに栄えてきた町だ。満州国滅亡後、工場は中国共産党が接収、開山屯化学繊維パルプ工場となり町を支えてきたが、1988年の大火災をきっかけに屋台骨が傾き始め、施設の老朽化と中国政府が推し進める国有企業改革の波に飲まれ、操業を停止してしまった。

 それと共に町は寂れ、人口流出が進んだ。わずかに残った工場は、北朝鮮労働者を雇い入れ、なんとか操業を続けてきたわけだが、一連の対北朝鮮制裁で、辺境の工業都市は終焉を迎えるかも知れない。

 一方、帰国させられることになった北朝鮮労働者は、少しでもカネを手元に残すために市場に押し寄せている。

デイリーNKジャパン
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