記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】税制改正は政治家の正念場、所得税の各種控除見直しで不満吸い上げ支持基盤固め (1/2ページ)

 政府・与党が2018年度税制改正で、高所得の会社員や年金受給者を対象に所得税を増税する一方、基礎控除の増額を検討していると報じられた。

 増税で得た財源を使って基礎控除を増額し減税するという政策のようだ。増税額と減税額が等しい「税収中立」であれば、景気への悪影響はかなり回避できる。しかも、高額所得者から低所得者への所得再配分にもなる。今のところ、税収中立の方向で検討されているようだが、もしそうならなければ、景気への悪影響も懸念される。

 どの程度の規模なのか今のところ分からないが、政府・与党の税制調査会で検討されていくはずだ。カギを握るのが自民党の税調だが、会長の宮沢洋一参院議員と、最高顧問の野田毅衆院議員はいずれも財務省出身だ。自民党税調はもともと財務省と深い関係だったが、今や財務省そのものにみえてしまう。

 ここは、財務省の増税戦略よりも政治家としていかに民意をくみ取るかの正念場だ。先の衆院選で自民党は大勝したが、その背景には、雇用の拡大によって若者の就職率が民主党政権時代よりはるかに向上したことがある。今の若者は保守化しているという指摘もあるが、筆者のみるところでは、保守化のデータはなく、単に就職率が良くなったので安倍政権支持という現実的・ドライな考え方である。

 高齢世代では、安倍政権に対して年金などで不満が多い。しかも、情報入手をテレビに頼っている人も多いので、安倍批判など左派傾向の影響を受けやすい。

 そうした状況では、雇用の拡大を継続しながら、若者世代の給与、高齢世代の年金などに関する不満も吸い上げたほうが、自民党支持がより強固になる。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう