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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】再び高まる米朝緊張、解決のカギはプーチン氏に トランプ氏の「中国頼み」手詰まり (2/2ページ)

 北朝鮮が「音なしの構え」を続けていたのは、米国の対話提案を真剣に考慮している表れとも見えた。だが結局、特使を手ぶらで返したとなると、逆に、緊張レベルはこれから一段上がるとみるべきだ。

 トランプ氏にとって、対話解決に向けて「中国頼み」の手法は手詰まりになりつつある。残された手はないのだろうか。私はロシアが鍵を握っているとみる。

 ロシアは中国とともに、「米韓合同軍事演習の凍結」と「核とミサイル実験の凍結」を唱えている。とはいえ、自ら前面に出るのは控えて、これまで問題解決に大きな役割は担っていない。だが、影響力は大きい。

 トランプ氏のアジア歴訪では、ロシアのプーチン大統領との会談が先送りになった。これについて、プーチン氏は、ロシア側の準備不手際を認めて、「関係者を処分する」と言っている。この発言には、プーチン氏がトランプ氏と会談したかったニュアンスがにじみ出ている。

 米露電話首脳会談は21日、行われた。ロシアは、米国の対露制裁解除を見返りに、北朝鮮問題で米国と歩調をそろえる可能性があるのではないか。プーチン氏の動向に注目すべきだ。 

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。東京新聞論説委員。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

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