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劇的な兵士亡命事件「その後」の北朝鮮で起きること (1/2ページ)

 北朝鮮と韓国が対峙する軍事境界線上の共同警備区域(JSA)で13日に発生した朝鮮人民軍(北朝鮮軍)兵士の亡命事件を受けて、北朝鮮は同区域の警備兵全員を交代させたという。また、亡命兵士がジープで渡ってきた「72時間橋」は閉鎖され、ゲートを新設する動きが見られるという。兵士が韓国側へ駆け込んだ現場でも、北朝鮮の作業員5人が溝を掘っている姿が目撃されている。

 この事件が、北朝鮮側に相当なショックをもたらしたことは想像に難くない。交代させられた部隊の指揮官や、上級部隊の幹部は問責を免れないはずだ。亡命までの経緯がどのようなものであったか、その内容しだいでは責任者の処刑もあり得る。

 北朝鮮軍の軍紀びん乱はつとに知られており、最近でも、女性兵士らに対する性的虐待の実態を英BBCが取り上げ、世の関心を集めた。

 (参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

 しかし、JSAやその周辺に配置されているのは、北朝鮮軍においても精鋭に属する部隊だと思われる。そこから亡命者が発生し、その様子を捉えた映像が全世界に公開されるとは、金正恩党委員長の怒りは尋常でなかったと思われる。

 そうでなくとも金正恩氏は、軍の一般の野戦部隊に対する関心が薄いと見られてきた。今さらテコ入れしたところで、米韓との実力差は埋めがたいという「あきらめ」から来るものだ。だからこそ、金正恩氏は核兵器やサイバー攻撃部隊といった「非対称戦力」の整備に力を注いできたわけだ。

デイリーNKジャパン
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