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【共産党研究】「民進党大分裂」の最大要因は「共産党を除く」という“壁” 立民も微妙な距離感 (2/2ページ)

 10月の衆院選直前、野党第一党だった民進党は、立憲民主党と、希望の党、民進党に3分裂してしまった。「戦後政治の歴史を画する壮挙」どころか、もろくも野党共闘は崩れ去ってしまったのだ。

 私はかねがね、「市民との共闘」という共産党の宣伝文句を疑問視してきた。

 確かに、「市民連合」だとか、「総がかり実行委員会」だとか、大仰な名前はある。だが、どれほどの実体があるのか。共産党は何かあれば、さまざまな運動組織をつくる。だが多くは、共産党員が中心の運動組織であり、広範な広がりなど持ったことがない。

 もし、本当に広範な市民が結集しているのであれば、共産党が先の衆院選であそこまで票を減らすことはなかったであろう。

 「共産党を除く」という“壁”は、打ち砕かれたどころか、実は、それこそが「民進党大分裂」の最大要因となった。

 民進党の前原誠司前代表が希望の党への入党に動いたり、細野豪志元環境相らが民進党を離党したのは、「共産党との選挙共闘に終止符を打つ」ためだった。「壁」は崩壊したどころか、厳然とそびえ立っているのである。

 共産党が頼みとしている立憲民主党も微妙な距離感をとっている。共産党にとって野党共闘は、命綱である。これが崩壊すれば、再び孤立の道しかない。まさに剣が峰である。

 ■筆坂秀世(ふでさか・ひでよ) 1948年、兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。議員秘書を経て、1995年に参院議員に初当選。共産党のナンバー4の政策委員長を務める。2003年に議員辞職し、05年に離党。評論・言論活動に入る。著書に『日本共産党と中韓』(ワニブックスPLUS新書)、『野党という病い』 (イースト新書)など。