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出稼ぎで中国に不法滞在の北朝鮮労働者を秘密警察が連れ戻す (1/2ページ)

 北朝鮮の一般庶民にとって、海外に出ることは一生に一度あるかないかのビッグチャンスだ。海外で買い付けた商品を北朝鮮の市場で売れば、かなりの儲けになる。また、定められた滞在期間を過ぎても帰国せずに働けば、北朝鮮では考えられないほどの収入が得られる。

 ところが、突然逮捕され、北朝鮮に連れ戻される人が増加傾向にあるという。「中国でオーバーステイしている私事旅行者(親戚訪問目的の旅行者)を逮捕せよ」という北朝鮮当局の指示に基づくものだ。

 中国のデイリーNK対北朝鮮情報筋によると、平壌出身の50代女性が10月末、中国吉林省延辺朝鮮族自治州の延吉で逮捕された。

 逮捕したのは中国公安当局ではなく、北朝鮮の国家保衛省(秘密警察、以下保衛部)の要員だ。

 平壌市龍城区域に住んでいたこの女性は5年前、商売の種銭を親戚から借りようと中国に向かった。ところが、当てにしていた親戚はすべて韓国に出稼ぎに行ってしまっていた。そのまま帰国するわけにもいかず、女性は意を決して職業紹介所へ行き、家政婦の仕事を得た。

 痴呆症の老人の家で家事をして、月3000元(約5万2000円)を稼いだ。給料はブローカーを通じて平壌の家族に送金した。働けば働くほど儲かることに気づき、帰国せずに働き続けた。

 中国に親戚がいる人は、朝鮮労働党、保安署(警察署)、保衛部に最低500ドル(約5万6000円)のワイロを支払えば、中国に滞在できる出国ビザが取得できる。

 有効期間は60日だが、最高で9ヶ月延長できる。しかし、中国で働けば北朝鮮では考えられないほど儲かるため、この女性のように、家族を食べさせるために不法滞在する人が後を絶たないのだ。

デイリーNKジャパン
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