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露、対北接近肩すかし 訪朝中の議員団は困惑 新型ICBM発射 

 【モスクワ=黒川信雄】北朝鮮による弾道ミサイル発射は、約2カ月にわたり同国が目立った挑発行為を行わず、それをロシア側が評価して対北接近を再び強めるさなかに起きた。北朝鮮の抑制姿勢への露側の評価が“肩すかし”を食らった印象は否めない。

 「北朝鮮が2カ月にわたり静寂を保っていることを評価する。ロシアはこの状況が最大限に長く続くよう北朝鮮側に積極的に働きかけている」

 27日、ロシアのモルグロフ外務次官は訪問先のソウルでそう発言し、北朝鮮の姿勢を評価しつつ露側の努力を誇示した。ラブロフ外相も24日、河野太郎外相との共同記者会見で、北朝鮮が抑制的な姿勢であるにもかかわらず米側は対北制裁を強めているなどと述べ、対米批判を展開した。

 ミサイル発射はロシアから親善目的で下院の議員団が訪朝していたさなかに起きた。露政界からは「議員団を危険にさらす行為だ」「(米側の攻撃に対する)人間の盾に使われるのではないか」などと困惑が広がった。

 ロシアのプーチン政権は北朝鮮の核・ミサイル開発を非難する一方、北朝鮮を「追い詰めてはならない」と主張し、同国の下支えにつながる経済分野などでの関係強化を進めている。孤立する北朝鮮に接近することで、対米牽制(けんせい)などの外交カードとして利用する思惑がうかがえる。

 ただ11月にベトナムで開催が見込まれた米露首脳会談を米側が事実上拒否したように、ロシアの対北アプローチは実際には内容が乏しく、「米国を動かすほどのカードになっていない」(関係筋)と指摘する声もある。

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