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不法滞在者は都会から郊外へ 外国人コミュニティが誕生 (1/2ページ)

 日本に“出稼ぎ”に来る技能実習生の失踪が年々増えている。技能実習生とは、日本国内で一定期間働き、産業上の技能等の習得を目指す「外国人技能実習制度」を利用して日本を訪れた外国人労働者をこう呼ぶ。これまで最長3年だった期間が、2016年の法改正で2年延長できるようになった。

 失踪すると強制帰国となるか不法滞在者となるが、彼らの“合法的”逃げ道の一つと考えられるのが「難民申請」だ。申請すれば「特定活動」という滞在資格を得て、申請6か月後から就労が可能となる。しかも申請回数に制限がないため、却下されても申請し続ければ「特定活動」資格を維持できるのだ。日本に滞在する中国人の動向に詳しい元警視庁北京語通訳捜査官の坂東忠信氏が解説する。

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 毎年、約8万人の技能実習生(以下、実習生)が中国や東南アジアから日本にやってくるが、2015年には5803人が失踪、過去最多を記録した。その多くを占めるのが中国人だ(3116人)。2016年の難民申請者数1万901人のうち、中国人は156人と少ないが、今後の動向を注視する必要があろう。

 難民申請という抜け道を使うのはまだ一部だ。失踪した中国人実習生らの大部分が、不法滞在者として就労し続ける。2017年1月1日時点の中国人の不法残留者数(8846人)の在留資格別内訳(どのような資格で日本に在留していたかの内訳)を見ると、技能実習が3406人と最も多く、短期滞在が1983人、留学が1318人と続いている。

 そうした不法滞在者の潜伏先として考えられるのが埼玉や千葉などの大都市近郊だ。彼らの行先は都会から郊外に移っている。郊外は人口密度が低く、警官の数も少ない。警官に出くわす可能性が低くなれば、職務質問を受けて旅券を提示させられる機会も減り、捕まりにくい。

NEWSポストセブン
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