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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】韓国の原発が揺れたら…東海岸の事故なら風で日本に影響する可能性も (2/2ページ)

 しかし、その後、大地震はない。このため、韓国のビルは耐震基準が日本よりも緩い。88年から6階以上の建築物に、2005年からは3階以上または500平方メートル以上の建築物は耐震設計が義務付けられた。M5・5~6・5の地震に耐えるようにという基準だ。だが、それ以前の建物はずっと弱い。

 地震のない国では、柱の上に床を置いて、その上に柱を置いて…という、まるで積み木のようなビルを造っている。実際、私はモスクワ(ロシア)やブエノスアイレス(アルゼンチン)で見た。朝鮮半島もそれに近い建築が行われてきたにちがいない。

 建物なら、他国に被害が及ぶことはない。だが原発は別だ。

 前回と今回の地震では、韓国の原発には被害がなかったと発表された。

 同国で稼働している原発は24基あって電力の約3割を供給している。韓国に限らず「地震のない国」の原発は地震で大きな災害になった日本の原発よりも、もともと地震に弱い。韓国の原発は日本の原発の3分の1の価格で作られているという。

 韓国の原子力安全研究所の所長は「M7より弱い地震でも蒸気発生器が壊れたり原子炉に深刻な問題が生じかねない」とかねてから警告してきている。また13年、部品の性能証明書の偽造が発覚して、原発4基が停止された。

 韓国の東海岸に集中している原発のどれかで、もし事故が起きれば、それが上空をいつも強い西風が吹く偏西風や、冬の季節風や海流に乗って、日本に影響することは十分にあり得るのだ。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『完全解説 日本の火山噴火』(秀和システム)。

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