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北ミサイル「火星15」専門家は「実用化になお1年」

 【ソウル=名村隆寛、ワシントン=黒瀬悦成】北朝鮮メディアは30日、平壌郊外で11月29日に発射された新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の発射当時の様子を撮影した映像や写真を公開した。

 朝鮮中央テレビの映像では、ミサイルの1段目と2段目が分離する様子などが撮影されている。移動式発射台でミサイルを直立させ、地上に設置し発射された。朝鮮労働党機関紙、労働新聞には「火星15」の発射に関する記事や写真計48枚が掲載された。

 2015年10月の党創建70周年の軍事パレードで公開されたミサイル「KN14」に似ているが先端と胴体に違いがある。1段目には2つの噴射口が取り付けられており、エンジン2つを束ねることで推進力を増強したとみられる。発射台は当時より片側が1輪増え9輪になっている。

 韓国軍合同参謀本部は30日、国防省の定例会見で「新型と評価している」と説明。最高高度や、弾頭の形、連結部分、大きさなどで7月に発射されたICBM「火星14」とは明らかな差があるという。

 小野寺五典防衛相は30日の参院予算委員会で、ミサイルは2段式で、液体燃料の特徴である直線上の炎が確認できたと説明した。その上で小野寺氏は「かなりの能力を持った弾道ミサイルだ」との認識を示し、引き続き防衛態勢を強化していく考えを強調した。

 一方、米ミサイル専門家のマイケル・エレマン氏は29日、米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」への寄稿で、「火星15」が米全土に到達可能なまでに射程が伸びたのは弾頭重量が推定約150キロと極めて軽かったためとみられると分析した。

 重量のうち核兵器が100キロ、再突入体が50キロと想定した場合、核兵器をそこまで小型化する技術を確保したかは疑わしく、大気圏突入時の空力加熱に耐える再突入体の製造技術も確立できていないと指摘した。

 また、弾頭重量が標準的な500キロであれば、射程は8500キロとなり、西海岸の一部を射程に収められるものの、ICBMの実用技術確立には今後約1年はかかるとした。

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