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【高橋洋一 日本の解き方】データ不正は製造業の危機か 企業体力低下で失われた余裕、「安全基準」逸脱なら信頼失う (1/2ページ)

 日産自動車や神戸製鋼所、東レなどでデータ不正問題が次々に発覚している。日本の製造業に対する信頼が失われるとの指摘もあるが、どのような背景があるのだろうか。

 各社それぞれの不正が行われていた時期はどうか。日産は検査表に不正押印した件で2014年1月から17年9月に製造された38車種がリコールの対象となった。神戸製鋼は10年ほど前から製品の強度やサイズなどのデータを改竄(かいざん)し納入、東レは08年4月から16年7月まで品質データ数値の不正な書き換えをしていたと報じられている。一部では、かなり以前からデータ不正が行われていたという。

 共通しているのは、納入先と契約した数値を外れたため数値を改竄したものの、安全性確保のために必要な数値はクリアしており、製品としては問題ないとされることだ。

 実際には余裕を持って安全性をクリアするため、契約基準と安全基準には、当然のことながら差がある。契約基準の数値を満たしていなくても、安全性に問題のない場合、納入先の了解を得て納入する「特別採用(トクサイ)」は製造業ではよくある話だ。もっとも、神戸製鋼や東レは納入先の了承を得ていない、いわば「トクサイの悪用」であった。

 日産の場合、無資格検査が問題であったが、国土交通省の定める資格基準の中では、長期間の研修などがあまりに実態と乖離(かいり)しており、これが企業には無駄に思えたという意見もある。このため、安全上支障の出ない範囲で役所基準を無視していたのが実情だ。

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