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【大前研一 大前研一のニュース時評】廃棄された抗がん剤年間738億円、クスリの回収システム作り医療費削減へ (1/2ページ)

 患者に投与された後、使い切れずに廃棄された抗がん剤の金額が、年間738億円にのぼるという推計結果がまとまった。慶応大学大学院の岩本隆特任教授が国立がん研究センター中央病院などと協力し、昨年7月から今年6月までに販売された100種類の抗がん剤について、全国でどれくらい廃棄されているか分析をしたもの。

 738億円のうちの8割にあたる601億円分は、病床数200床以上の病院で廃棄された。抗がん剤の注射薬や点滴薬の多くは瓶単位で売られていて、使用量は患者の体格などによって違い、1回で使い切れないことがほとんど。その大半は捨てられてきたという。

 これについて、岩本特任教授は「安全性を確保するガイドラインをしっかり作ったうえで、抗がん剤の処方が多い病院を中心に、残ったクスリを別の患者に使えるよう整備すれば、国の医療費を年間500億円削減できるのではないか」との見通しを示した。厚生労働省も専門家による研究班を発足させ、安全基準を今年度中に取りまとめる方針という。

 これはできるだけ早く実現してほしい。廃棄される抗がん剤の割合は全体の9・8%。抗がん剤だけでなく、他のクスリでもぜひやってほしい。

 クスリが廃棄される理由は、病院で使用期限などが引っかかったことや、新しいクスリをもらった患者が古いクスリを使わないことによる。効率よく使えれば、間違いなく医療費の削減につながる。

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