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「ミサイル発射を喜び歌い踊る北朝鮮国民」の姿はどこまで本物か (3/3ページ)

 一方、一般庶民は、やれ新型だ、やれ米本土全域を打撃だと言われたところで、金正日総書記の時代から耳にタコができるほど聞かされていることなので、喜んだり感動したりするはずもなく、ただミサイル発射成功を祝う行事に動員されるのを面倒くさがっていたという。

 北朝鮮は核・ミサイル実験のたびに、各地方で祝賀集会を開催している。また最近は、トランプ米大統領の国連演説に反発して朝鮮人民軍(北朝鮮軍)への入隊・復帰を志願する集会、緊急講演会、学習会、生活総和(総括)など、イベントが目白押しだった。いずれも、招集がかかれば「行かない」という選択肢はない。仮にそんなことをしたら政治犯とみなされ、悲惨な末路を辿りかねない。

 ただ、こうした行事に片っ端から動員されていたら、市場で商売をする時間が減り、収入が途絶えてしまう。かつてに比べ食糧事情が改善した北朝鮮だが、同時になし崩し的な資本主義化によって貧富の格差が拡大しており、貧困層に転落したら明日の糧も得られないほどに困窮してしまう。

 (参考記事:コンドーム着用はゼロ…「売春」と「薬物」で破滅する北朝鮮の女性たち

 それだけに留まらない。当局は、様々な国家的な動きにかこつけて、「誠金」(寄付)の名のもとに庶民から小銭を巻き上げる。庶民にとっては核実験もミサイル実験も、一銭の得にもならないばかりか、むしろ損をするだけのものだ。

 もしかしたらテレビカメラの前の平壌市民は、こうしたホンネを言えない鬱憤をダンスにぶつけているのではないだろうか。

 (参考記事:「米軍が金正恩を爆撃してくれれば」北朝鮮庶民の毒舌が止まらない

デイリーNKジャパン
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