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稲田朋美元防衛相が再始動 「初心」が「野心」に変わる日は

 自民党の稲田朋美元防衛相が再始動する。自ら会長を務める党内の保守系グループ「伝統と創造の会」(伝創会)は5日夜の役員会で、11日に久々の総会を開くことを決めた。今後、安全保障や憲法問題を中心に勉強会を重ね、党内外で積極的に提言を行う方針を打ち出した。稲田氏は将来的な党総裁選出馬も視野に入れるが、7月の防衛相辞任までに染みついた負のイメージ払拭は容易ではない。再スタートを機に党内で信頼回復と支持拡大をどう図るか。(原川貴郎)

 「いやー、こんなに座ってたのは、久しぶりやわ」

 稲田氏は11月30日午後7時過ぎ、衆院農林水産委員会を終え、疲れた表情で周囲にこうこぼした。

 平成24年の第2次安倍晋三内閣で当選3回ながら行革担当相に抜擢(ばってき)されて以降、次々に要職に任じられてきた。国会で委員席に長時間座るのは、野党時代以来、約5年ぶりだった。

 稲田氏は7月末に南スーダンの国連平和維持活動(PKO)日報問題に絡み防衛相を引責辞任し、その後は「自粛の日々」(関係者)を過ごした。10月の衆院選で5期目の当選を果たしても党の役職には就かず「一兵卒」の立場をとってきた。

 安倍首相の秘蔵っ子として、直々に「首相候補として頑張ってほしい」と薫陶を受けた立場だ。首相が所属した党内最大派閥の細田派には、有力な「ポスト安倍」候補が見当たらないこともあり、稲田氏も「このまま一議員で終わりたくない」と再起に意欲をみせる。

 伝創会を再始動させるのは「初心」に戻る意味合いもあるようだ。昨年8月に防衛相に就任して以降、伝創会は「形骸化していた」(稲田氏)というが、衆院選で当選した杉田水脈議員も新たに加わり、40人規模になった。11日の総会では海洋進出を強める中国の動きなどを議論する。

 稲田氏は党内で裏方仕事をした経験が少なく、政治家として足腰の弱さも指摘されてきた。党内では「本気で再起を図るなら『何でもさせていただきます』という謙虚さが必要だ」(参院幹部)との厳しい声もある。

 「首相のえこひいき」といわれない実力をいかに身につけるか。稲田氏の真価が問われそうだ。

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