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【勝負師たちの系譜】羽生氏の『永世七冠』は追求心が生んだ金字塔 前例のない仕掛け成功、覚悟している世代交代 (1/2ページ)

★羽生善治「永世七冠」

 前人未到かつ奇跡とも言える『永世七冠』を懸けて、渡辺明竜王に挑んでいた羽生善治棋聖が、12月4、5日に行われた竜王戦第5局に勝ち、4勝1敗で竜王位を奪取して達成した。

 永世七冠とは、今年創設された叡王戦を除き、従来からある7つのタイトル全てで永世称号(王座のみ名誉称号)を得ることで、取得資格は棋戦によって異なる。

 永世名人と永世棋聖は、通算5期。永世王将は通算10期等だが、永世竜王は連続5期か通算7期。羽生は通算6期で、この竜王だけが残っていた。

 実は羽生が竜王戦で永世七冠に挑んだのは、3回目である。最初は2008年で、この時は渡辺も、連続5期での永世がかかっていた。そして羽生は3連勝の後、4連敗で、永世七冠を逃し、その2年後も渡辺に挑戦を退けられた。

 永世称号は、大山康晴十五世名人と中原誠十六世名人が、共に5つずつ達成しているものの、他の現役棋士では渡辺が2つ(竜王・棋王)で、後は3人が1つのみである。これを見ると、七冠を制覇するのが、いかに困難かわかると思う。

 対局場となった、鹿児島県の指宿白水館には、200人のファンと、50人を超える報道陣が詰めかけた。

 羽生の勝ちが決定的となった最終盤、羽生が決め手の香を打つ手は、ブルブルと震えていた。数多くの対局を重ねた羽生にしても、大一番を勝つ緊張感が抑えきれなかったのだろう。

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