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【高橋洋一 日本の解き方】税制改正、「官邸vs自民税調・財務省連合」の政治力学 細かな増税重ね緊縮路線へ (1/2ページ)

 2018年度の税制改正は、年収850万円超の会社員や高収入の年金受給者の控除見直しなどが柱となっている。今回の税制改正で官邸と自民党、財務省の間でどのような力関係がうかがえるのか。

 今の自民党税調は、その主要メンバーは財務省OBなので、ほぼ財務省の意向と同じ方向で行動しているとみていい。ということは、「官邸」対「自民党税調・財務省連合」の政治力学である。

 今回は予算編成の真っ最中に衆院解散・総選挙があった。最大の争点は、トランプ米大統領の訪日・アジア歴訪を控えて、北朝鮮問題への対応で、安倍晋三政権に日本を託すかどうかであった。

 その際、19年の消費増税は予定通りとした。同時に財政再建は棚上げにした。官邸は財務省と交渉して、消費増税はのむが財政再建はのまなかったのだ。

 「増税するがそれを使う」というのは、経済学の立場から見れば、あまり賢いやり方とはいえない。本来は増税なしで歳入をそのままとし、歳出の中身を入れ替えるべきだからだ。

 ところが、政治の世界では、歳出の中身の変更は、カットされる個別分野の利益代表が反対するので難しい。それよりも、増税への反対の方が少ないと判断される場合には、「増税で歳出増」が選択される。今回の場合、経済界が消費増税に賛成なので、「消費増税で財政再建棚上げ」となったのだ。

 財務省は経済界に消費増税を賛成してもらったので、その見返りもあって法人税、租税特別措置には手をつけられない。特に、経団連企業は、租税特別措置で大きな利益を得ているので、この見直しは政治的には不可能に近かった。

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