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【高橋洋一 日本の解き方】円高デフレ脱却で露呈した外国人技能実習生の矛盾 失踪急増、本来の趣旨と異なる運営 (1/2ページ)

 技能実習生として日本に来た外国人が、低賃金で過酷な労働環境を強いられ、失踪する事例も増えていると報じられている。この問題の背景や、制度のあり方を考えたい。

 この仕組みはもともと、海外進出した企業が現地社員を日本に招いたことから始まった。それが国際貢献や国際協力になるとされ、1981年には在留資格が創設された。93年から外国人の技能実習制度となった。

 その後、本来の制度の趣旨とは異なり、安価な外国人労働力として利用されることが多くなった。建設や縫製、農業など77の職種について、一定期間日本国内で働くことを認めているからだ。

 特に、為替が円高だった時代には、外国人技能実習生は、国内企業にとっては安価な労働力となり、外国人技能実習生にとってはいい出稼ぎになった。国内企業の中には、外国人技能実習生なしでは成り立たないところもあるようだ。

 「円高・デフレ」から「円安・脱デフレ」の時代に変わりつつあるが、国内企業は雇用が改善されているのに依然デフレ時代のように安価な労働力を求めているのが実情だ。

 一方で、いまや外国人にとって日本の賃金はそれほど魅力的でなくなっている。加えて、日本での雇用状況が悪すぎるという問題が顕在化してきた。

 その結果、外国人実習生の失踪が急増している。他に良い賃金を提供する国内企業も出てきたことが背景にある。いずれにしても、円安・脱デフレ時代になってきたので、外国人技能実習生制度の欠陥がより目立つ形で表面化している。

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