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【高橋洋一 日本の解き方】「口利き」のボーダーライン 違法か合法かを分けるのは「影響力の行使」の有無だ (1/2ページ)

 園田博之元官房副長官が、資金提供を受けたNPO法人から相談を受け、当時の国税庁幹部に電話し、税務調査について再調査を求めていた-と報じられている。いわゆる「口利き」は、政治家の仕事としてあってはならないものか。そして、違法と合法のボーダーラインはどこにあるのだろうか。

 日本の「政」「官」「民」は、しばしばジャンケンの関係といわれる。政は官に強く、官は民に強く、民は政に強いという三すくみの構造だ。こうした中、政が民から情報を得て、その情報を官に伝えることには、一定の合理性がある。ただし、これにカネが絡むと問題は複雑になる。

 民が官に賄賂を渡して、官から利益を引き出すのは、贈賄罪だ。ここで、官が民から賄賂をもらうのは収賄罪となる。

 これに政を絡ませるのも犯罪だ。政が民からカネをもらって、官に権限に基づく「影響力の行使」をすれば、あっせん利得処罰法に抵触する。

 実際、甘利明・元経済再生相の秘書がカネを受けて、政府の独立行政法人である都市再生機構(UR)へ「口利き」をした事件があった。しかし、検察は立件に至らず不起訴処分になった。「口利き」といっても、「影響力の行使」があるかどうかで、違法になるかどうかのボーダーがあるわけだ。

 もちろん「口利き」全てが違法とされるわけではない。上記の事件を参考にすれば、例えば、議員や秘書が「何とかしてほしい」と言った程度では「影響力の行使」とは言えず、「議会で取り上げる」「人事異動させる」といった、脅しにも似たような強い働きかけがないと、「影響力の行使」とはいえないだろう。

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