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中国拘束邦人8人越年か 与党議員団24日から訪中 「新年を家族と」膠着打開を期待

 中国当局が拘束している日本人8人の解放に向けた動きが膠着(こうちゃく)状態に陥っている。安倍晋三首相が11月にベトナムで習近平国家主席と会談し邦人釈放を直接求めたが、中国側は応じていない。拘束されたまま越年の懸念も出始めた中で、自民党の二階俊博幹事長ら与党訪問団が24日から中国を訪問する。団長を務める二階氏は中国要人にパイプを持つだけに、真価が問われることになる。

 「せめて年内に解放してもらい、新年を家族と一緒に迎えさせてあげたい」

 千葉県船橋市の地質調査会社「日本地下探査」の男性幹部は悲痛な表情でそう語った。今年3月に中国の山東省と海南省で同社社員4人と、温泉開発コンサルタント会社「大連和源温泉開発」(中国遼寧省)の社員ら2人が中国当局に拘束された。7月に4人は解放されたが、両社とも社員1人が拘束されたままだ。

 日本地下探査の幹部によると、拘束されている社員は現場の責任者だった。9月に正式に逮捕され、スパイ行為に関わったとして取り調べを受けている可能性もある。

 同社幹部は「調査現場は山頂にあり、周囲に機密情報があるとは思えない。温泉開発に協力するために日本国内と同じ方法で地質調査をしていただけだ」と説明する。

 ほかにも日中青年交流協会理事長ら6人が拘束されている。政府は首脳会談や外相会談などの機会に釈放を働きかけているが、中国側の動きは鈍い。日中領事当局間協議も7月を最後に開かれていない。

 そうした中で、「中国にとって非常に大きい存在」(外務省関係者)とされる二階氏が訪中する。5月に訪中した際も習氏と会談している。訪問団メンバーは「必ず二階氏に拘束邦人の問題を取り上げてもらう」と意気込む。

 ただ、北京で26日に行われる日中与党交流協議会では中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」が取り上げられ、経団連の榊原定征会長らも参加する。経済協力ばかりが重視され、日本人の生命・財産に関する問題に進展がなければ、議員外交の意義が問われる。(長嶋雅子、大橋拓史)

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