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中国軍機の動向、台湾「公表中止」 日本の監視に影響も

 【台北=田中靖人】台湾の馮世寛国防部長(国防相に相当)は21日、台湾周辺を通過して西太平洋に進出する中国軍の航空機や艦船の動向について、今後は特殊な状況を除き公表をやめると宣言した。進出の「常態化」や「心理戦に付き合わない」ことを理由に挙げたが、日本や米国の中国軍全体の動向分析に影響を及ぼしかねず、関係者からは懸念の声が上がっている。

 中国軍機の「遠洋訓練」は共産党大会後の11月から急増して10回に上り、台湾では毎回、大きく報道されている。経路は、宮古海峡(沖縄本島-宮古島間)とバシー海峡(台湾-フィリピン間)の2つ。日本の防衛省は宮古を通過したものや、バシー通過後に北上して日本に接近したものについては公表しているが、バシーから東進するものは監視できていない。台湾の国防部(国防省)は11月22日、轟(H)6爆撃機やスホイ30戦闘機が空中給油機などを伴いバシーを通過したと公表したが、日本側の発表はなかった。

 中国空軍は今月17日、台湾だとする山を背景に飛ぶH6などの映像を公開した。台湾の国防部は「民衆を動揺させるのが狙い」としており、公表中止は報道の沈静化を図る狙いもあるとみられる。

 だが、台湾側の対応は、遠洋訓練に「慣れればよい」と述べた中国国防省報道官の思惑通りともいえる。

 関係者からは、情報の減少への懸念や「中国の文攻武嚇に効果があると認めたようなものだ」と批判する声も出ている。

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