記事詳細

韓国訪問の要件緩和で「在日朝鮮人」は消滅へ向かうか (1/3ページ)

 韓国政府は22日の在外同胞政策委員会で、在日コリアンのうち「朝鮮籍」を持つ人が韓国を自由に訪問できるよう制度を改善する方針を決めた。過去に同様の施策がとられた際には、朝鮮籍から韓国籍への変更が一気に進んだ経緯があり、在日コリアンの人口動態がどうなるか興味深い。

 ■保守政権が渡航制限

 朝鮮籍の人が韓国を訪問するためには、同国外務省が発行する「旅行証明書」が必要だ。今後は同証明書の発給要件が緩和され、審査期間も短縮される。

 聯合ニュースによれば、盧武鉉政権時代に100%近かった旅行証明書の発給率は、朴槿恵政権だった昨年、過去最低の34.6%まで低下。しかし文在寅大統領は今年8月15日、「在日同胞は国籍を問わず、人道主義の面から故郷訪問を正常化する」と表明していた。

 聯合ニュースによれば、朝鮮籍の在日コリアンの数は現在、3万人ほどだという。これに対し、韓国籍で戦前に日本へ来た人とその子孫--旧来のいわゆる「在日」は30万人ほどだ。

 ちなみに1980年代までは、朝鮮籍も10万人単位で存在していた。当時は、在日コリアン全体の数が約70万人だった。韓国籍と朝鮮籍の内訳がどうなっていたか、法務省もデータを出していないのだが、概ね韓国籍6に対し朝鮮籍が4ほどの比率だったはずだ。

 ■問題の背景と歴史

 日本社会には、朝鮮籍の在日朝鮮人は現在の北朝鮮にあたる朝鮮半島北部の出身、韓国籍の在日韓国人は南部の出身であると捉える見方が少なからず残っている。朝鮮半島問題を取材する、新聞やテレビの記者であってもそうだ。報道を見ていても、稀にだが在日朝鮮人の国籍を「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)国籍」と説明しているものがある。

 しかし歴史的経緯から言うと、こうした認識は正確ではない。

 そもそも、すでに日本国籍に帰化した人も含めて、在日コリアンの9割以上は朝鮮半島の南部、つまり現在の韓国にある地域の出身者とその子孫なのだ。それにも関わらずなぜ、朝鮮籍を持つ人々が在日コリアン社会を二分する存在となってきたのか。

デイリーNKジャパン
zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース