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【回顧2017】朝日報道に見た中国政権への「悪質な忖度」 読者の知る権利よりも自社の報道利権 (1/2ページ)

 2017年は、「忖度(そんたく)」という言葉が大いに話題になった。この言葉は、辞書には「他人の気持ちを推し量ること」とあるから、本来良い悪いは関係ないのだが、今年はもっぱら否定的な意味で使われたようである。

 つまり他人におもねる、迎合すると言った意味合いが込められており、しかもそれは、「森友・加計問題」で、安倍晋三首相を批判する際にも多用された。

 しかし、「悪質な忖度」と言えば、私は直ちに朝日新聞の中国報道を思い出してしまう。これこそ巨大な害毒を及ぼした、歴史上最悪の忖度であろう。

 日本と中華人民共和国とは、台湾の中華民国政府の存在もあり、戦後なかなか国交が成立しなかった。ただし国交成立以前に貿易は開始され、1964年には、日中間で記者の交換も行われた。

 日本の記者たちは、間もなく勃発した文化大革命(66~76年)の報道で大活躍をした。日本人は漢字を知っているので、壁新聞を読むことができたからである。だが、中国政権は、日本人記者を警戒し、次第に追放するようになる。

 その中で、唯一残ったのが朝日新聞の記者であった。追放を免れたのは、同社の記者が「真実の報道」を控えるようになったからとしか思えない。林彪失脚の事実も、なかなか報道しなかった。

 朝日新聞の昭和時代の報道を回顧した同社取材班の『新聞と「昭和」』(朝日新聞出版)には、以下の記述がある。

 「秋岡(家栄記者)は67年11月、北京赴任に際し、社長の広岡知男から指示を受けた。『それを書けば国外追放になるという限度があるだろう。そのときは一歩手前でとまりなさい。極端にいえばゼロでもいい。書けなきゃ見てくるだけでもいいんだ』(抜粋)」「社内で『歴史の目撃者』論と呼ばれる考え方である」(410~11ページ)

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