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【高橋洋一 日本の解き方】「財政悪化報道」まだやってるの? 実態は米国よりはるかに健全、主張すべきは歳入庁の設置 (2/2ページ)

 日本の方が米国より財政状況がいいのだが、実はここ20年弱をみても、この傾向は常に一貫している。逆にいえば、日本は米国の数字を上回るようだったら注意したほうがいい。国には徴税権などの見えない資産があるので、少しぐらいネット債務額が大きくなっても、びくともしないが、それでも、米国が一応の目安になるだろう。

 中央銀行を含めないベースでGDP比20%程度、含めるベースではGDP比60%程度の日米格差があるので、100兆~300兆円くらいの国債を発行したとしても、大きな財政問題にはならないと筆者は考えている。

 前出のNHK番組で報道していたのは、高齢化による社会保障費増大の話だ。それに対して、社会保障は保険原理で運営されるので、それを徹底しておけば、かなりの問題は防げる。

 まず、保険原理から、将来収支は将来費用に見合うように設計される。そこで、短期間で支出と費用を見直することがまず必要だ。そうすれば、おのずと、費用の徴収漏れ問題に行きつくはずだ。

 実は世界の社会保障は、ほとんどが保険方式であるが、徴収は税当局が行うことで効率性を高めている。歳入庁の設置が世界標準だ。日本でも、歳入庁がないことによって、数兆円の徴収漏れがあると指摘されているが、設置の動きがないのは不思議だ。問題のない財政規律よりも、その点をマスコミは主張すべきだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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