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【回顧2017】中国・習氏、米“迷走”で狙う日本取り込み 二大大国覇権争いと日本の自覚 (1/2ページ)

 私は、この1年間、米国と中国の「二大大国による覇権争い」に注目してきた。ドナルド・トランプ米大統領と、中国の習近平国家主席の動向を見てきて明らかになったことは、明確な戦略を持たず、独善的な「アメリカ・ファースト」を唱えるのみの米国と、明確な戦略を持って的確に米国に対応する中国のしたたかさの違いである。

 習氏は、第19回共産党大会(10月)における演説で、20回以上も「強国」という言葉を使い、「2035年までに、国防と人民解放軍の近代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに人民解放軍を世界トップクラスに育成し、建国100周年に当たる2050年頃を目途に総合国力と国際的影響力において世界の先頭に立つ『社会主義現代化強国』を実現する」と宣言した。

 そして、中国は「一帯一路」構想に代表されるダイナミックな戦略を展開し、アジア太平洋地域から米国の影響力を排除し、同地域における覇権を確立しようとしている。

 一方、トランプ氏の米国は、戦略性と安定性に欠け、気候変動のパリ合意や、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの離脱などにより、米国の同盟国や友好国の信頼を失いつつある。結果として、戦後70年以上にわたって構築してきた米国主導の多国間の枠組みやルール作りという「米国の強み」を自ら放棄してしまい、世界各地で米国抜きの秩序形成の試みが始まっている。

 私は12月中旬、上海において中国の専門家と安全保障対話を行ってきた。彼らは明らかに、トランプ政権の戦略のなさや米国外交の劣化を認識していた。そして、中国側は今がチャンスとばかりに、日本を自らの陣営に取り込もうとして、「日中は運命共同体であり、日中関係を改善すべきだ」と熱く主張している。

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