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【日本の元気】7万年分の「物差し」 これほど連続した年縞は世界では水月湖のみ (1/2ページ)

★水月湖の年縞(前編) 

 福井県にある水月湖(すいげつこ)の「年縞(ねんこう)」が「世界の歴史の標準」になった。「それ何のこと?」と思われるだろうが、すでに多くの中学生は知っている。今年から採用された多くの中学校の教科書に、それが記載されているからだ。そのひとつ、東京書籍刊の中学2年生向けの国語教科書には、「読書への招待・歴史の物差し-水月湖の年縞」という読み物が太宰治の『走れメロス』と並び8ぺージにわたって掲載。実はこの文章は私が書いたのだが、ほかにも理科、社会、数学など各社刊の教科書に記載されている大科学成果なのである。

 水月湖は福井県の南西部、日本海に面した景勝地、三方五湖(みかたごこ)の5つの湖のひとつで、周囲およそ10キロ。東日本ではほとんど知られていないが、訪ねてみると日本にこんな美しい景勝地があったのかと思うはず。その水月湖が「世界の歴史の物差しの標準」となったとは、どういうことか。

 たとえば、ヨーロッパのある場所で古代人のミイラが発掘されたとする。それがいつの時代の人だったのかは、放射性炭素(炭素14という同位元素)の値を調べることで可能だ。大気中の二酸化炭素には一定の割合で炭素14が含まれているため、植物は光合成でこの炭素14も取り込んでいる。穀物などの植物を食べた人には、その炭素14が体に残っているのだ。

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