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韓国、南北会談を提案 正恩氏の対話示唆「歓迎」

 【ソウル=名村隆寛】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日の「新年の辞」で平昌(ピョンチャン)五輪への代表団派遣の用意と南北対話の可能性を表明した。これを受け、韓国政府は2日、南北当局者の高官級会談を9日に軍事境界線がある板門店で開催するよう北朝鮮側に提案した。提案は趙明均(チョ・ミョンギュン)統一相の記者会見でなされた。

 文在寅(ムンジェイン)大統領は2日、金正恩氏の発言を「歓迎する」と表明。閣議で南北対話の早期再開と北朝鮮の五輪参加に向けた準備を指示した。ただ、金正恩氏が新年の辞で「核弾頭と弾道ミサイルの量産と実戦配備に拍車を掛けるよう」指示したことに文氏が言及したかは伝えられていない。

 趙氏は会見で「南北関係の改善に向けた互いの関心事を虚心坦懐(たんかい)に話し合えるよう期待する」と述べ、会談の議題を五輪参加に限らない考えを示した。また、会談の提案について米国と協議したことを明らかにした。

 その上で趙氏は、断絶状態にある南北の連絡ルートを早期に再開し、会談の議題や出席者を北朝鮮側と具体的に決める意向を示した。2日午前と午後に接触を試みたが応答はなかったという。一方、平昌五輪の会場である江原道(カンウォンド)の崔文洵(チェ・ムンスン)知事は2日、北朝鮮側と今月15日にも接触する予定であることを明らかにした。

 北朝鮮は文在寅政権からの緊張緩和などに向けた南北会談の提案を無視、拒否し続けてきた。南北会談が実現すれば、2015年12月の南北次官級会談以来、約2年ぶりで、文在寅政権では初となる。

 文在寅政権が金正恩氏直々の提案を歓迎する一方、韓国では保守層を中心に「北は韓国政府を利用している。会談をしても北の核廃棄など絶対にあり得ず核武装に政治的、時間的な余裕を持たせてしまう」(朝鮮日報)などとの警戒感がくすぶっている。

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