記事詳細

事件や事故の実名と写真報道 ネット普及で議論に (2/3ページ)

 「一度名前を出しておきながら消す。消えると思っているのは大間違い。ネット上ではすでにマスコミ情報から、被害者のSNSなどが特定され、個人情報暴きが始まっていました。マスコミは被害者の人権など考えていないのではないでしょうか? 本当にひどすぎる」(綾子さん)

 一方、当のマスコミ側はどういった見解なのか。大手紙社会部担当記者に聞くと、この”実名報道”について、大手マスコミの中でも「報じる意味」「ニュースとしての意義」が論じられるようになったという。そもそも”実名報道”に意義はあるのか。

 「亡くなった方、怪我をされた方、行方不明になった方の実名を出して報じるのは、例えばそのご家族や関係者の方にお知らせをする、という意味合いが強い。また、実名や顔写真付きで報じることによって、酷い事件、凄惨な事故をより強く印象付け、世の中に注意喚起を促すという意味もあります」

 ただし、今回の大宮・ソープランド火災や、神奈川・座間市のアパートで9名の遺体が見つかった事件では、被害者の属性が”特殊”であり、警察から被害者の情報が出ても、実名や顔写真付きで報じるか、大いに議論がなされたという。

 「ソープ嬢とその客である、ということで、被害者が好奇の目に晒される可能性は高い。その上で、テレビ局数社、新聞数社は実名報道を見送った。座間の事件でも、ほとんどの被害者が性暴行を受けた後に殺害された、ということになっていて、被害者は性犯罪被害者だったのにもかかわらず、全員が実名、顔写真付きで報じられました。この辺りの矛盾に、報道関係者が頭を抱えているのは事実です」(大手紙社会部記者)

 性犯罪の被害者は、基本的に実名で報じないというルールがある。当初被害者として実名、顔写真付きで報じても、後に性犯罪の被害者と明らかになった場合は、その瞬間から匿名報道に切り替えるのだ。しかし、すでにそれは意味をなさない状況だ。

NEWSポストセブン
zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース