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金正恩氏が「寄生虫動画」の兵士亡命事件で沈黙を守る理由 (1/2ページ)

 韓国紙・東亜日報は23日、昨年11月に軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)で韓国に亡命した朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の元兵士が、国家情報院と軍などの合同尋問班に対し、「北で犯罪を起こした。死亡に至る事件だった」と供述したと報じた。同紙はまた、この元兵士が「北朝鮮軍の少将クラス軍人の子弟と確認された」とも伝えた。

 白昼、北朝鮮軍の追撃兵による銃撃を浴びながら、軍事境界線を駆け抜けたこの元兵士の行動は、相次ぐ北朝鮮国民の亡命事件の中でも近年まれに見る衝撃的なケースだった。また、事後には彼の腸から巨大な寄生虫が取り出される手術映像まで放映され、世論の関心を倍加させた。

 (参考記事:必死の医療陣、巨大な寄生虫…亡命兵士「手術動画」が北朝鮮国民に与える衝撃

 あれだけの危険を冒し、実際に瀕死の重傷を負いながら決行された亡命場面を監視カメラ映像で見ながら、「北朝鮮でさぞや切羽詰まった状況に追い込まれていたのではないか」と想像する向きは少なくなかったはずだ。それだけに、東亜日報の報道に接して「やっぱり……」と感じた人も少なくなかったと思われる。

 だが、韓国当局はこの報道を否定している。

 聯合ニュースは同日、情報当局関係者の話として「報道は確認されたものではない」「当事者がそうした供述をしたことはない」と伝えた。

 聯合によれば、元兵士は銃撃で受けたケガの治療のため、現在も入院している。この関係者は、週内に元兵士が退院できるかどうかが決まる予定で、退院すれば北朝鮮脱出住民(脱北者)の保護センターに移し、こうした報道の事実確認をする計画だと説明した。

デイリーNKジャパン
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