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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】天災対応は個人任せの日本 震災からまだ立ち直れない人たちがいる実情 (2/2ページ)

 この女性は、住んでいたマンションが震災で半壊し、避難所生活を経て、地震後7年もたった02年にようやく復興住宅に入居した。13年には腰を骨折して室内移動にも歩行器が必要になった。いま借りている復興住宅は段差がなく、室内には手すりがついており、暮らしやすいという。

 裁判に負けた女性の代理人弁護士は判決を不服として大阪高裁に控訴した。結果が出るのは、まだ先になる。

 他方、宝塚市と伊丹市では、すべての居住者に期限後の継続入居を認めている。高齢者が多く、転居の負担を考慮したためだと言う。

 一方、自治体の側にも震災の後遺症が現れている。兵庫県では職員の給与や定数削減などを行って、18年度には震災後初めて年度ごとの収支不足は解消する見通しだが、震災関連の借金残高は4000億円を超えている。将来の借金負担の重さを示す「将来負担比率」は都道府県別の16年度の決算では10年連続の最悪県になっている。

 地元自治体の職員にとっても地震は大変な負担だ。多くの場合、自らも被災者である地元の公務員が自分の家や家族をほったらかして不眠不休で働くことになる。阪神淡路大震災はもちろん、16年の熊本地震もそうだった。

 過去に学び、それに賢く対処することが人類の知恵なのだが、それがなかなかできなくて自治体まかせ、個人まかせなのが今の日本なのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『完全解説 日本の火山噴火』(秀和システム)。