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【高橋洋一 日本の解き方】研究費不足に悩む大学関係者が「教育国債」を否定する不可解、財務省への忖度か知的退廃か (1/2ページ)

 全米科学財団(NSF)がまとめた報告書によれば、2016年に発表された科学技術の論文数は中国が約43万本となり、米国の約41万本を抜いてトップになった。3位以下はインド、ドイツ、英国が続き、日本は6位だった。

 直近10年間の国別の論文数の推移は、中国124%増、インド182%増、米国7%増、欧州連合(EU)域内28%増だったが、日本は13%減だった。日本だけが、ちょっとおかしくなっている。

 また、京都大iPS細胞研究所(CiRA)で、助教による研究論文捏造(ねつぞう)があった。その件で、ノーベル賞受賞者の山中伸弥所長の責任を追及する向きも一部にあるが、捏造したのは助教であり、山中所長ではない。個人と組織それぞれへの責任追及をきちんと峻別すべきであり、高校野球のような連帯責任論に陥らないようにすべきだ。ただ、いろいろと背景を探ってみると、研究員の地位の不安定性などが背後にあるのかもしれない。

 これら2つの報道は、日本の研究費不足という点で、大いに関係しているのだろう。

 研究の一般論としていえば、基礎研究が「当たる」確率は、いわゆる「1000に3つ」である。「3つ」を当てるためには「1000」のトライが必要である。

 「3つ」の社会的な便益は極めて大きく、997の失敗のデメリットを補って余りあるので、基礎研究は、きわめて「打率の低い投資」であるが社会的にはやらなければいけないものだ。

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