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【秘録 今明かす「あの時」】過酷事故を回避した福島第二原子力発電所での教訓、「経験と自省」で変わる東電 (1/2ページ)

★福島第二原発の奇跡(4)

 「福島第二のきせき」という、東京電力の社内リポートがある。2011年の東日本大震災で、過酷事故を回避した福島第二原子力発電所での社員の活動と教訓を集めたものだ。「きせき」は道のりの「軌跡」と、よくやったという「奇跡」の二重の意味を込めた。

 そこには教訓が並ぶ。「機材や物資は本部から送るより、その場で買った方がよいものもある。現金の準備は大切」「携帯電話は通じない。社員、その家族との連絡手段を常に考えるべき」。過酷な状況に追い込まれて危機を克服した、社員の生の声があった。

 当時の第二原発所長で、今は東京電力ホールディングス常務執行役として廃炉対策の責任者を務める増田尚宏氏は「社員の頑張りを記録に残したかった。そして、私たちの経験の中には、社会全体にも役立つ教訓があります」と語った。

 経験の発信には、増田氏にも、東電社内にも戸惑いがあった。同社は福島第一原発で事故を起こしたためだ。だが、福島第二での取り組みは、世界の原子力関係者や自衛隊、ハーバード・ビジネススクールなど危機管理を研究する組織の称賛と関心を集め、情報は広がり始めている。

 東電は福島の2つの原発の震災対応での「経験と自省」から、自らを変えようとしている。

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