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【菊池雅之 最新国防ファイル】時代が求める新しい汎用艦、尖閣警備からソマリア沖の海賊対処任務まで 海自護衛艦「たかなみ型」 (1/2ページ)

 東西冷戦当時の海上自衛隊において、護衛艦隊の中核となっていたのが「はつゆき」型だった。1隻で対艦・対空・対潜とマルチに対応でき、ヘリコプターも搭載できるため、汎用(はんよう)護衛艦と呼んでいる。ソ連の大艦隊に対抗するため、艦隊整備を急いでいたこともあり、1982年3月に1番艦「はつゆき」が建造されると、わずか5年で12隻もの大量生産が行われた。

 21世紀に入り、新しい汎用護衛艦として建造されたのが「たかなみ」型である。99年から2002年にかけて9隻が就役した「むらさめ」型の拡大改良型という位置付けだ。よって、建造中は「改むらさめ」型と呼ばれていた時期もある。

 1番艦「たかなみ」が03年3月に就役すると、「おおなみ」「まきなみ」「さざなみ」「すずなみ」と、トータル5隻が建造された。この配備に伴い、老朽化した「はつゆき」型は、沿岸警備用護衛艦や練習艦へと種別を変更し、第一線戦闘任務から押し出されていった。

 当初はトータル11隻建造する計画もあったが、さらに高性能化した対空レーダーや最新システムなどを搭載した護衛艦を新たに建造することが決まり、5隻で打ち切られた形となった。1隻当たりの価格は約650億円。これは他国の同クラスの艦艇と比べると少々割高ではある。

 海自では初となるイタリア製の127ミリ砲を搭載した。これまでの汎用護衛艦の主砲よりも大型となった分、対空・対水上ともに射距離が長くなった。ミサイルの垂直発射システム(VLS)を前甲板に集約し、そこから対空ミサイル「シースパロー」や、対潜ロケット「アスロック」を発射する。これにより、甲板上の省スペース化に成功している。後にシースパローを改良した最新式の対空ミサイル「ESSM」を搭載できるようにしている。

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