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【ここがヘンだよ!日本】憲法改正は安全保障のタブー見直せ 「戦争に巻き込まれたらどうすべきか」という観点必要 (1/2ページ)

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 憲法9条に自衛隊に関する規定を追加する、憲法改正案の議論が本格化している。この案は、憲法9条の第1項と第2項に変更を加えないまま、新たに第3項を加えて、そこに自衛隊が憲法違反でないことを確認的に明記するというものである。

 率直に言ってバカバカしい。現段階で、主要政党で自衛隊の違憲性を主張しているのは共産党ぐらいであり、他の政党は自衛隊が合憲であることを認めている。現に、自衛隊は存在しているのだから、このような改正が行われたところで、世の中は全く変わらない。

 せいぜい発案者が「憲法を改正した」という自己満足が得られ、共産党が困る程度に過ぎない。そのために国民投票まで実施するのは政治のリソース(資産)の無駄遣いとしか思えない。

 仮に現政権、ひいては自民党が「憲法9条を改正したい」というのならば、当然のことながら、その内容自体も見直さなければならないだろう。

 憲法9条の問題は「日本は戦争に巻き込まれない」という、ある種の「安全神話」に基づいていることである。現実にリスクがあるにも関わらず、それに目をつぶって無視している-という意味では、かつてささやかれた原子力発電の「安全神話」にも通じる。

 日本の原子力行政は長らく、「重大事故は起きない、起こさない」という前提で規制を設計してきた。「重大事故が起きた場合、どう対応するか」という観点が欠けていた。この盲点が、東日本大震災で15メートル級の津波という想定外の災害が到来したことで露呈した。政府・電力会社は後手後手に回り、国家的な危機に陥った。

 震災後、政府は「確率論的リスク評価(PRA)」と呼ばれる手法を導入した。「重大事故が起きた場合、どのような対応が必要か」という観点で、あらゆるテロや災害への対応を検討し、想定外の事態をなくすために根本的に規制のあり方を見直している。

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