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【喫煙を考える】「たばこ煙のニオイにニコチンの寄与極めて低い」 長崎国際大・佐藤博准教授が調査

★“たばこのニオイ”を考える(上) 

 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催などに向け、いよいよたばこ規制が加速する。1月30日に厚生労働省が“「望まない受動喫煙」対策の基本的考え方”を公表。それを受け東京都の小池百合子知事は、国との整合性を図るため、次の都議会定例会に提出を予定していた「受動喫煙防止条例案」をいったん取り下げることを決めた。

 受動喫煙の健康被害についての議論とは別に、よく指摘があるのが環境衛生面でのたばこ臭の影響だ。「たばこのニオイのするところ、必ずニコチンの影響がある」というイメージを持つ人も多い。

 「たばこ煙の成分についてはこれまで多くの研究が行われ分析値も出ていますが、その中でわれわれが着目したのはニオイの成分。調査の結果、たばこ煙のニオイに限定して言うとニコチンの寄与は極めて低いように思えます」

 そう話すのは、長崎国際大学薬学部でたばこ煙のニオイに関する研究を行っている佐藤博准教授だ。

 「そもそもニコチンは揮発しにくい物質で、煙の微粒子に乗って飛散することはあっても、単独ではニオイの素にはなりにくいのです。タバコのニオイがするからニコチンが周りの空気中に存在するとは、必ずしも言えません」

 ニオイを感じる状況下で、環境衛生的にはどうなのか。

 「たばこ臭の感じ方の実験を喫煙者と非喫煙者の双方に行ったところ、快・不快度の評価については、当初『快』と答える人はいないだろうと思っていましたが、喫煙者の中にそう評価する人も少なからず見られました。また、臭気強度について0~5までの6段階で評価してもらうと、平均して非喫煙者の方が喫煙者より1段階高い評価でした。臭気強度というのは、いいニオイ、嫌なニオイではなく、純粋にニオイを感じる強度を評価するものですが、非喫煙者、あるいは嫌煙家には『たばこ臭=強度が高い=嫌なニオイ』というイメージなのかもしれません」と佐藤准教授は分析する。

 ニオイの面だけを見ても、感じ方が人それぞれである以上、たばこの影響を測るのは決して容易なことではないことがわかる。

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