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北朝鮮で突然の「移動禁止令」…商売に打撃、市民から反発強まる (2/2ページ)

 遠隔地はもちろん、市内から郊外に行くことすら制限された。そのおかげで平壌市内の商人は、郊外の店への配送ができなくなった。当然、莫大な損害が発生するが、軍事パレードにかける当局の意気込みに尻込みして、「嵐」が通り過ぎるのを首をすぼめて待つしかない。下手に動けば、手が後ろに回りかねないからだ。

 ちなみに民間のバスやタクシーのドライバーは、市や郡の境界線上にある検問所の役人に定期的にワイロを渡しているため、遠距離でなければさほど大きな支障なく行き来できる。

 (参考記事:数百キロの距離も「鉄道よりタクシーで」…北朝鮮の長距離交通事情

 移動禁止令は平壌だけの話ではない。

 咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、中央から「道、市、郡の境界線を越えての移動を禁止するとの指示が下された。車での移動はもちろん、列車を使っての移動も違法行為扱いだ。保安員(警察官)に見つかれば問答無用で連行される」と話す。

 軍事パレードやその関連イベントの練習のため、連日連夜の動員でこき使われているところに降ってわいた今回の移動禁止令に対して、市民や商人の間からは強い反発の声が上がったという。

 「建軍節だけを大切にして、庶民の暮らしを大切にしないのか」(市民)

 禁止令が長くなれば、商品が入荷しなくなり、物価が上昇する。その不満は、当然当局に向かう。当局もそのことはわかっているはずだが、それでも移動を制限している背景について情報筋は、「軍事パレードに関連する国内の情報が国外に流出するのを防ぎたい」のではないか」と当局の意図を説明した。

 ちなみに当局は軍事パレードに外国記者を招待していたが、突然招待を取り消した。そのため、海外メディアは取材ができなくなった。オリンピックで醸成された平和的なムードを保ちたいとの意図があると思われる。

デイリーNKジャパン
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