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妹・金与正氏を「アイドル化」した金正恩氏のメディア戦略 (1/2ページ)

 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と、金正恩党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長ら高位級代表団が、平昌冬季五輪に合わせて韓国を訪れたことを写真入りで大きく報じた。

 これを見た平壌市民が、様々な反応を見せている。デイリーNK内部情報筋によれば、「平壌の地下鉄やバスの車内では、金与正同志の南朝鮮(韓国)訪問の話があちこちから聞こえる。人が集まったかと思えば、金与正同志の話ばかりだ」という。

 たしかに、金王朝の「プリンセス」が笑顔を振りまく写真を多数紹介するスタイルは、かつてのおカタいだけの北朝鮮メディアにはなかった手法だ。その新しい宣伝戦略が、金与正氏を「アイドル化」しているのかもしれない。

 (参考記事:【写真】金与正氏の存在感が増している

 そして、そうしたメディア戦略はまず間違いなく、金正恩氏が直接統括している。そうでもなければ、北朝鮮メディアが金正恩氏の「ヘンな写真」を次々と公開できるはずがない。

 (参考記事:金正恩氏が自分の“ヘンな写真”をせっせと公開するのはナゼなのか

 また、金与正氏への注目が高まる裏では、北朝鮮の人々の次のような期待が作用してもいる。

 平壌市民は、硬直状態に陥っていた南北関係の改善に注目している。「民族の悲願である南北統一」などという高尚な理由からではない。韓国製品の販売、所有、韓流ドラマ、映画の視聴に対する厳しい取り締まりが緩和されるかもしれないという、とても現実的な望みからだ。

 「南のものは何から何まで敵対視する状況が続いてきたが、(金正恩氏が)実の妹を派遣したのを見て『新たな局面』が開けるのではないかという話が飛び交っている。韓国製品を自由に売り買いし、韓流ドラマを自由に見られる日が早く来て欲しいという人々の本音が表れてきた」(情報筋)

 北朝鮮当局はドラマ、映画、バラエティなどの韓流コンテンツへの取り締まりを強化し、拷問を苦にして命を絶つ人も出ている。

 (参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

デイリーNKジャパン
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