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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「輪」》悲しみの輪、広げないために (1/2ページ)

 会見場に現れた女性は、自分たちを映すたくさんのテレビカメラを見つめ、「この中に娘の姿があったかもしれないと思うと…」と絶句しました。女性の娘の名は佐戸未和さん=当時(31)。NHK首都圏放送センターで記者をしていた平成25年、過労死しました。娘が生きていたら、こうして会見を取材していたかもしれない。母の慟哭は、取材していたマスコミ各社の記者の胸を突きました。

 国会では「働き方改革」をめぐる議論が始まっています。実際に働いた時間に関係なく、あらかじめ定めた時間を働いたとみなして賃金を支払う「裁量労働制」と一般の労働者の労働時間を比較した厚生労働省の資料が不適切だったことが発覚。安倍晋三首相が答弁を撤回するなど“場外乱闘”ばかり目が行きますが、ことの本質は佐戸さんのような過労死を出さない社会にすることです。そのためには、法律はもちろん、世の中の意識も変えないといけないと強く思います。

 「過労死」が日本発の用語として世界に広まっていることは有名ですが、件の会見には佐戸さんの母のほか、裁量制で働いていた雑誌編集者の長男=当時(24)=を亡くした母、長時間労働の代表格ともいえる医師や教師をしていた夫を亡くした妻など、過労死遺族がずらりと並びました。遺族らは長時間労働を助長するとされる裁量労働制の拡大の削除を訴えました。

 かくいう私も、裁量労働制で働いています。入社以来そうなので気にしたことがありませんでしたが、月に1日も休まずに事件取材に奔走した20代を思い出すと、過労死は決して人ごとではありません。無理が利かない体になってきた今は、いかにして休むかが課題。職場での昼寝、深夜に帰宅した翌朝は遅めに出勤など少しでも楽をしています。こうした働き方が許されるのも、裁量労働制では仕事の進め方は労働者の裁量に大きく委ねられているから。裁量労働制も、きちんと運用できれば悪くないものです。

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