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イバンカ氏訪韓の効果は「?」 文政権の対北融和路線変わらず

 【平昌=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、平昌五輪閉会式に合わせて訪韓中のトランプ米大統領の長女、イバンカ大統領補佐官を首脳級の礼遇でもてなしている。ただ、北朝鮮との対話をめぐる温度差も露呈。イバンカ氏は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の妹、金与正(ヨジョン)氏の「微笑外交」による訪朝招請で対北融和に傾いた文氏を圧力路線に引き戻せるのか。

 イバンカ氏は24日、スノーボード競技など、米選手が出場した試合を観戦。隣には文氏の金正淑(ジョンスク)夫人と康京和(カン・ギョンファ)外相がぴったり付き添い、携帯電話のカメラの“自撮り”に金夫人と仲良く納まり、友好をアピールした。23日の空港到着時には、韓国外務省の儀典長が出迎え、文氏が大統領府の「常春斎」で韓国料理の夕食会を開いた。儀典長の迎接や常春斎での会食は主に海外の首脳に対するものだ。

 文氏が席上、南北対話へのトランプ氏の支持に謝意を示したのに対し、イバンカ氏は「朝鮮半島の非核化に向けた最大限の(対北)圧迫戦略について、われわれの意志を再確認する席を設けてくださり、感謝します」と述べた。双方が結束を強調しながら「対話」と「圧力」と力点が全く違うことを浮き彫りにした。

 イバンカ氏は、韓国メディアの書面インタビューで、金正恩体制を「抑圧的な政権」とし、「北朝鮮の人々が経験する苦しみに心が痛む」と答えている。

 イバンカ氏に同行しているサンダース大統領報道官は24日、平昌で記者会見し、北朝鮮から25日に訪韓予定の金英哲(ヨンチョル)党副委員長らとの接触について、「計画はない」と否定した。文氏は金英哲氏と面談する方針。

 韓国紙は、ユダヤ教徒のイバンカ氏にとって本来、安息日の週末に公務を入れた上、滞在日程も1日延長したと伝えている。

 一方、妊娠中に訪韓したとされる与正氏の滞在中、文氏は4回も面会する異例の厚遇をした。アイスホッケー女子の南北合同チームの試合や芸術団の公演など、一緒に観覧できるイベントを北朝鮮が前もって仕込んでいたからだ。訪韓2日目までをみると、与正氏に軍配が上がりそうだ。