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【室谷克実 新・悪韓論】文氏おだてりゃ“従北一途” 韓国、五輪後の激痛… 失業者増大、左右の激突へ (2/2ページ)

 しかし、米朝交渉の実現とは、「対北の直接の交渉相手としての韓国」を自己否定することにつながる。わが身を捨てても、愛する北朝鮮のために尽くしたい-まさにマゾヒズムを思わすような「従北」だ。与正氏の一言で、文グループは空に舞い上がったのかもしれない。

 とはいえ、米国の対北姿勢は極めて硬い。まして朝鮮労働党機関紙が「わが共和国が核を放棄することを望むのは海の水が干上がるのを待つよりもさらに愚かなこと」などと述べている中では、米朝交渉の展望はない。だから、南北の政権が取れる方途は「南北会談の実現性」を匂わし続け、時間稼ぎをすることだろう。

 その一方、国内の懸案は待ったなしに迫っている。

 韓国GM、錦湖タイヤ、どちらも「雇用(を増やす)大統領」と自称する文氏を直撃する。下手をすれば、支持勢力の労組を敵に回す。逆に動けば、国費による企業救済の歯止めを失う。

 さらに李明博(イ・ミョンバク)元大統領をめぐる問題がある。保守系紙・朝鮮日報(1月28日)は「(李氏の)主な側近は既に拘束され、前々大統領の監獄行きは秒読み段階に入った」と伝えている。

 韓国のマスコミは、外国人記者のお世辞コメントなどを手がかりに「平昌冬季五輪は国際社会で“文化強国”としての韓国の地位を確固たるものにする礎になった」(聯合ニュース2月25日)などと、はしゃいでいるが、そんな五輪の余熱がいつまでも続くものか。

 失業者が増大する中での「左右の激突」という激痛が、いま韓国を襲おうとしている。

 ■室谷克実(むろたに・かつみ) 1949年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒。時事通信入社、政治部記者、ソウル特派員、「時事解説」編集長、外交知識普及会常務理事などを経て、評論活動に。著書・共著に『悪韓論』(新潮新書)、『崩韓論』(飛鳥新社)、『韓国リスク』(産経新聞出版)など多数。