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【ぴいぷる】“電波戦”で挑む拉致解決 対北ラジオ『しおかぜ』放送制作者・村尾建兒氏 北の妨害電波に「やる気が出てきた」 (1/3ページ)

 「こちらはしおかぜです。東京から北朝鮮におられる拉致被害者の皆さん、さまざまな事情で北朝鮮に渡って戻れなくなった皆さんへ、放送を通じて呼びかけを行っています」

 唱歌「ふるさと」の調べに合わせ、メッセージが流される。情報統制の厳しい北朝鮮で監視の目が緩むとされる深夜と未明、拉致被害者らに向けて毎日放送されている短波ラジオ放送「しおかぜ」。その制作を担当している。

 運営する「特定失踪者問題調査会」に加わったのは2004年。それまでは広告代理店に勤めるサラリーマンだった。拉致問題は知ってはいたが、「北朝鮮って拉致をやってたんだというレベルだった」と振り返る。

 拉致被害者家族が立候補した同年夏の参院選を手伝ったことが、拉致問題に関わるきっかけだった。選挙戦の反応は良かったものの結果は落選。拉致問題への関心が、それほど高くない現状を目の当たりにさせられた。

 「北朝鮮の専門家たちだけでやっていていいのか」。世論の支持を広げるため、従来とは異なるアプローチで啓発を行う重要性を感じた。同年に会社をやめ、調査会に入った。

 しおかぜの放送が始まったのは翌年の10月末。韓国の北朝鮮向けラジオ放送の存在を知った荒木和博代表に、担当するよう告げられたのだ。

 広告代理店でプロモーションビデオやCMの制作を手がけ、番組づくりのノウハウは持っていた。ただ、準備期間は約1カ月しかない。時間が足りなかった。「最後の2週間ぐらいはすごかった。タクシーで家に帰って風呂に入って、それでまた事務所に来て作業をしていた」

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