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金正恩氏の兵士たちは、こうして「民間人殺害」に手を染めた (1/2ページ)

 北朝鮮では、なし崩し的に市場経済化が進んでいるのに伴い、食糧事情が改善してきた。しかし、軍隊は閉鎖的な集団だけに市場経済化の流れから取り残され、少なくない兵士たちが栄養失調に苦しんでいるとされる。つまり、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の本当の敵は「飢餓」であると言うことができるのだ。

 このような背景から、飢えに苦しむ兵士たちが協同農場を襲撃し、農作物を略奪する事件が頻発。地域住民からは「あんな土匪(馬賊)みたいなやつらを使って、一体どんな戦争をするというのか」と罵られている。飢えた兵士たちは、国境を越えて中国にまで侵入し、たびたび強盗事件を起こしている。そのため、中朝国境地域の中国側では、地元住民が自警団を結成して対応するほどだ。

 (参考記事:独占入手!中国軍に制圧・連行される「北朝鮮脱走兵」の現場写真

民間女性への性暴力

 韓国の北韓人権情報センター(NKDB)が最近発刊した「軍服を着た収監者~北朝鮮軍の人権実態報告書」は、主として北朝鮮軍兵士に対する人権侵害のデータをまとめたものだが、兵士らによる民間人への殺害・暴行・略奪についても言及している。

 それによると、同センターの調査に応じた元軍人の脱北者70人のうち、兵士が民間人を殺害するのを見たことがあると答えた者が7人、話を聞いたことがあるとの回答は15人に上った。

 調査対象者の分母はごく小さいものではあるが、それでこれだけのヒット数が出るとは、むしろ背筋が寒くなる思いがする。ちなみに回答者の属性は、70人中51人は下士官と兵士で、19人は将校である。

 また、37人は1990年代に食糧危機が本格化する以前に入隊していた。当時は今と比べると、軍隊内にもいくらか整然とした空気があったのかもしれない。しかし、その後は兵士らに対する配給もまともに行われなくなり、殺伐さが増したものと思われる。

デイリーNKジャパン
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