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【高橋洋一 日本の解き方】財務官僚は政治家を恐れない 国税調査権&予算編成権握り官邸には秘書官ネットワーク (2/2ページ)

 その理由は、財務省は他省庁にない権限を持っているためだ。伝統的に財務省は、予算編成権と国税調査権に加え、官邸内の人的ネットワークがある。このため政治家は怖くない。むしろ財務省が政治家を政治的に抹殺することもある。

 内閣人事局の設置により、官邸を忖度せざるを得なくなったというストーリーもよく聞く。他省庁ではそうかもしれないが、財務省については疑問だ。財務省は首相、官房長官、副長官の全てに秘書官を出している。この官邸ネットワークで、かなりのコントロールが可能だ。内閣人事局発足後も、天下りを含めて財務省の意向に反した人事は行われていない。

 旧大蔵官僚当時の筆者も正直、政治家を恐れたことはなかった。税務署長時代にはこんなことがあった。未納者に自動的に納税を促すシステムにより、ある政治家に税務署長名で納税書が発行された。即座に税務署に電話があり、政治家本人が納税しにきた。その政治家と会ったところ、「税金を納めたい」というので驚いた。選挙間近だったので、税金滞納とのニュースを恐れたのだろう。

 その後の予算編成でも、数多くの政治家から陳情を受けた。こうしたことが重なると、財務官僚は政治家を恐れなくなる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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