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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】月が物語る巨大隕石の衝撃 裏側に直径2500キロのクレーター (2/2ページ)

 じつは中国は2013年に無人の嫦娥3号を月面に軟着陸させている。軟着陸に成功したのは米ソに次いで世界で3番目だ。だが嫦娥3号が運んだ月面車「玉兎」は1カ月で故障して、データが十分に取れなかった。今回はその雪辱も狙っている。

 有人飛行の着陸地点は月の裏側の南半球にある「南極エイトケン盆地」になる。この盆地は月ではもちろん、地球でも最大のクレーターで、直径約2500キロもある。

 原因はまだ分かっていないが、月ができた初期のころ巨大な天体が衝突してできたものだと思われている。

 この衝突によって月の深部にあった物質が掘り出されている可能性が大きく、地質学上大きな興味を持たれている場所だ。将来の鉱物探査にも役立つ場所だ。

 月の裏側の探査によって、月の秘密がかなり明らかになるに違いない。

 地球に6600万年前に落ちた大きな隕石(いんせき)はマグニチュード(M)10にもなる震動や、高さ300メートルを超える巨大な津波を生んだ。M10の地震とは、過去100年間に世界で起きたすべての地震が同時に発生した大きさだ。だが、この隕石の大きさは直径10キロあまりだった。

 その数十倍のものが月に落ちたと思われている。将来、この大きさの隕石が地球に落ちないともかぎらない。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『完全解説 日本の火山噴火』(秀和システム)。

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