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日米中“通貨戦争”突入か 中国が人民元切り下げ検討、実行なら米が「為替操作国」指定も

 貿易をめぐる米中の衝突が、通貨戦争に発展する事態だ。米国に関税引き上げを通告された中国が、輸出を有利にする人民元相場の切り下げを検討していることが分かった。実行されれば、米トランプ政権は中国を制裁措置の対象となる「為替操作国」に指定することも予想される。「人民元ショック」で日本も超円高や株価暴落が懸念され、追加金融緩和などの対応を迫られる。

 ブルームバーグによると、中国当局は、貿易戦争での米国との交渉手段や、輸出減少の影響を相殺する手段として人民元相場の段階的な切り下げを検討しているという。人民元切り下げは、輸出産業を下支えする効果があるが、実行する場合には最高指導部の承認が必要とされる。

 トランプ政権は知的財産権侵害を理由として、年間500億ドル(約5兆3000億円)相当の中国製品に25%の追加関税を課す制裁措置を公表。トランプ大統領は追加関税の対象をさらに100億ドル(約1兆600億円)分、積み増すよう米通商代表部(USTR)に検討を指示しており、中国は対抗手段を模索している。

 中国が実際に人民元切り下げに踏み切れば、米政権に「為替操作国」に指定され、制裁措置の対象になる恐れもある。

 相場全体に与える影響も甚大だ。2015年8月には人民元が突然。約2%切り下げられたことで、世界の株価が暴落し、円高に見舞われる場面があった。

 このところの円高で企業業績の先行きに不安が出ている日本も、対岸の火事ではない。デフレ脱却を目的とした追加金融緩和など機動的な対策が不可欠だ。

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