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【朝鮮半島と日本の国益】拙速な南北統一は政治的、経済的に大混乱必至 「正恩大統領」もあり得る… (1/2ページ)

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 朝鮮半島は、ベルリンの壁の崩壊のようになり、西ドイツが東ドイツを吸収したように一気に統一に進むのだろうか。だが、それはコストが大きすぎる。

 それでも、北朝鮮の政権が崩壊してしまったら、そうなるだろう。韓国では「統一の混乱を恐れるな」という声は少数でも、それを阻止する勇気を多数派は持たないだろう。

 しかし、米国と北朝鮮で「核の完全廃棄」と「体制の保証」の枠組みで話が進みそうなので、その危険は小さそうだ。

 なぜ、拙速な統一が困るのか。

 まず、政治的には、北朝鮮の人口(約2500万人)が、韓国(約5100万人)の半分近くあることが問題だ。東ドイツの人口は、西ドイツの4分の1だった。自由選挙をすれば、北朝鮮の住民がキャスチングボートを握ってしまい、現在の韓国憲法の規定通りすれば、金正恩(キム・ジョンウン)大統領だってあり得る。大混乱は必至だろう。

 経済的には、北朝鮮の住人が市場経済のもとでは、ほとんど経済価値を持たないことが問題だ。ドイツ統一から2年ほどして、ドイツ連銀の最高幹部の話を内輪の会合で聞いたことがある。彼は「最大の誤算は、東ドイツ出身者は企業で使えないと分かったこと」と語っていた。

 明治になって、武士の多くが教育はあっても、「武士の商法」で身を立てられなかったのと同じだ。教育レベルは高くとも指示待ちだし、生産性向上の気がなかったのである。

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