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【長谷川幸洋「ニュースの核心」】『モリカケ文書』が明かす真実は? 籠池夫妻の“異様”な姿 財務省の記録廃棄は「そこまでやるか」 (1/2ページ)

 森友学園問題で財務省は5月23日、廃棄したはずの学園側との交渉記録や決裁文書など約4000ページに上る資料を国会に提出した。

 各紙が報じた詳報を一読してみると、いわゆる「新事実」はほとんどない。大部分は、昨年11月に発表された、会計検査院報告や財務省が公表済みの改竄(かいざん)前決済文書で明らかになっていた内容ばかりである。

 むしろ興味深いのは、学園前理事長の籠池泰典被告と、妻の諄子被告が、近畿財務局に対して、執拗(しつよう)に値引きや有利な取り扱いを迫った異様な姿だ。

 風変わりな人柄は報じられていたが、記録で読むと「これでは担当者は、さぞ大変だったろう」と同情してしまう。

 例えば、諄子被告は2015年2月、担当者に「あんたら、いじわるや。死んだら地獄に行くぞ」と言い放った。これは序の口で、同年5月にはコースターを投げつけ、「嘘つき、お前なんか信用できない、帰れ」と罵声を浴びせた、という。

 かと思うと、交渉がヤマ場を迎えた16年5月、担当者が値引きの限界を伝えると、「とんでもないことを言うな、もうやめよう。訴訟する(泣き出す)」とある。まさに「脅したり、すかしたり」である。

 豊中市や大阪府、国会議員の秘書たちも一様に夫妻の強引さに困惑していた様子が浮き彫りになっている。

 役人は抵抗していたが結局、8億円の値引きに応じてしまった。それは執拗さに根負けしたからか。役所側にも弱みがあったからか。その辺りは公開資料だけでは読みとれない。捜査当局の調べを待つ以外にない。

 ただ、疑惑の根幹である「安倍晋三首相が総理の座を利用して特別な便宜供与を図っていたか」については、今回の資料公開で疑いが晴れた。

 首相夫人である昭恵氏の秘書が財務省に「照会」した事実は確認されたが、それは便宜供与を求めたものではなく、制度を問い合わせたにすぎない。

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