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【高橋洋一 日本の解き方】消費もレジャーも被災地支援だ 自粛が引き起こす2次被害…災害の政治利用こそが不謹慎 (1/2ページ)

 西日本の豪雨では死者が200人を上回り、平成で最大級の豪雨被害となっている。こうした際には、何かにつけて活動を自粛する方向に行きがちだが、これは正しいのか。

 これを論ずる前に、ネット上で興味深い話があった。「日銀が国債を買えば無効化されるので、日銀が災害対策費を賄えるように国債を買うことを提案すべきだ」というものだ。

 驚いたことに、それを書いたのは、旧日銀と考えの近いマスコミの人で、日銀の国債購入に反対姿勢だった。「改心」したのかと思ったが、「リフレ派がそうした提案をしないのはおかしい」として、リフレ派を揶揄するものだった。

 マスコミの中には予算のことを知らない人も少なくない。通常、今回のような豪雨災害では、予備費が充てられる。2018年度予算では3500億円計上されている。

 一方、歳入のうち国債発行額は34兆3700億円だ。日銀は今年度、この金額以上の国債を市中から購入する予定であり、この意味で、予備費に相当する国債はすでに「無効化」されているとみることもできる。

 したがって、実際には新たに政策提言する必要はないのだ。もし、そうした政策提言をすると、災害には予備費で対応するという予算の仕組みを知らないのかと言われかねない。

 そうした事情があるので、筆者は、今回のような災害対応ではなく、南海トラフ巨大地震のような震災対応としての国債発行と日銀の市中からの購入を併せて主張している。これは本コラムでも書いたし、地上波のテレビ番組でも指摘しているところだ。

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