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【勝負師たちの系譜】初タイトルの最年少記録は? 屋敷伸之氏の才能表す勝ち星15勝 (1/2ページ)

★ヒューリック杯棋聖戦(4)

 初タイトルの最年長記録は有吉道夫九段だが、最年少記録もやはり棋聖戦における屋敷伸之五段(当時)で、中原誠棋聖から奪取したもの。18歳の時だった。

 屋敷はその前期も、17歳の四段で挑戦者となっていて、最年少挑戦記録も持っている。

 屋敷が奪取した時も棋聖戦ではよくある、2連敗からの3連勝だった。この時屋敷は、プロになってまだ2年たっていなかったから、棋士仲間も大いに驚いたものである。

 屋敷の才能を表すのに、奨励会入会から四段までの3年間で、昇級昇段に絡まない(無駄な)勝ち星がわずか15勝しかないという珍しい記録がある。ちなみに羽生善治竜王は28勝。私(6年弱在籍)などに至っては、111勝を無駄にしている。

 屋敷は棋聖だけ3期獲得(防衛)し、1997年には九段の資格を得たが、当時の規定で八段の昇段が遅れたため、結局九段昇段は2004年となっている。

 さて先日17日、東京・平河町の「都市センターホテル」で行われたヒューリック杯棋聖戦第5局、羽生棋聖-豊島将之八段戦は、接戦の末に豊島が勝ち、初タイトルを獲得した。

 私は豊島のことを「無冠の帝王」と称し、レーティング全棋士中第1位の実力者と紹介した。屋敷以上に早熟で、小学校3年で奨励会入り。初タイトル戦が20歳という豊島が、ようやく28歳にして本領を発揮し、それにふさわしい地位を得たのである。

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