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【大前研一 大前研一のニュース時評】イラン原油輸入停止 米国の“意地悪”に日本はうまい対抗手段なし (2/2ページ)

 イランの原油生産量は1日約380万バレルで、世界の産油量の4%を占める。イランの原油輸出先は、中国、インド、韓国、トルコ、イタリアときて、日本は第6位。中国、インドは決済手段をドルにしないでやっていく方法を考えると思う。おそらくトルコも米国には従わないだろう。韓国がどう出るかは不明だが、おそらく諦めざるを得ないだろう。

 一方、日本の原油輸入量は1位がサウジアラビア(約40%)で、2位がUAE(約24%)。以降、カタール、ロシア、クウェートときて、イラン産の割合は6番目(約5%)。イランに対する依存度は小さい。だから、影響はそれほどないかもしれない。

 一方、イランも手をこまねいているわけではない。クウェートやアブダビに切り替えたタンカーがホルムズ海峡を通過するのを阻止するようなことを言っている。これに対してトランプ大統領は、イランの最高指導者、ハメネイ師が力でアメリカに盾突くのなら壊滅的なダメージを与えて思い知らせてやる、とけんか腰だ。進展が見えない北朝鮮や、評判が悪かった米露首脳会談から明らかにイランの方に衆目をそらせる狙いがあると思われる。

 いつか表舞台から去ったときに「単なるピエロだった」と言われる可能性が高いトランプ大統領の横やりで、イランとの非常に大切な関係を遮断されるのは日本や欧州の国々にとっては大きな問題だ。

 日本の石油連盟は、一時的に輸入が止まったとしても、「イランは将来にわたって安定供給してもらえる産油国」と位置づけている。良好な関係を続け、引き続き輸入を再開できるよう働きかけていく考えだが、日本のいまの力で、ドル決済をできなくされたら、米国に盾突くのは難しいだろう。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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