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【外交戦争の勝者】世界が警戒する中国の軍事大国化 不満抑えるために「強国」目指す (1/2ページ)

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 中国の習近平国家主席の前任者、胡錦濤前国家主席は「社交上手」で出世した人だったので、派閥に関わらず利権をバラまいて権力を維持した。その結果、経済は活性化したが、腐敗が市場をゆがめるほどになった。華人の欲望には際限がない。

 そこで、習氏は腐敗摘発を図る一方、不満を抑えるために「強国」を目指した。2013年の米中首脳会談で、習氏は「太平洋には米中両国を受け入れる十分な空間がある」と当時のオバマ大統領に語ったが、野心をあらわにした無謀な発言だ。

 太平洋の西半分は日本に任せてほしいというのが、かつての大東亜共栄圏である。先の太平洋戦争は、それに怒った米国と戦争したと教えてあげたい。

 中国は世界各国で採算度外視の大型事業に融資し、それが焦げ付くと、先端産業や軍事的価値のあるインフラを自国のものにしている。アフリカ北東部のジブチに軍事基地を建設し、ギリシャ、スリランカ、バヌアツにまで手を出した。

 世界は、中国が経済の成功ほどには軍事大国化しないと勝手に思い込んでいたが、15年9月、北京での抗日戦争勝利70周年の軍事パレードで目を覚ました。場所が天安門広場だったのも刺激的だった。

 混乱なき経済発展のために、少し自由とか民主主義を犠牲にしても、いずれ民主国家になるだろうと高をくくっていたが、習氏は「(さまざまな政体の失敗をへて)特色ある中国の社会主義を見いだした」と、将来の民主化も否定した。

 安倍晋三首相が12年に再登板して「価値観外交」を打ち出したころは、インドのナレンドラ・モディ首相や、オーストラリアのトニー・アボット首相など、盟友は少なかった。

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